ランニングマシンは効果なし?理想の運動時間と効率的な使い方
「ランニングマシンって本当に効果があるの?」
「外で走るのに比べて効果がないって本当?」
場所や天候を選ばず、一畳ほどのスペースさえあれば運動ができるランニングマシンですが、「ランニングマシンは効果ない」といった意見も見受けられます。
果たして効果がないというのは本当なのでしょうか?
この記事では、ランニングマシンの効果について詳しく解説していきます。ランニングマシンの効果的な使い方などについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.ランニングマシンは効果がないというのは本当?
ネット上では「ランニングマシンは外で走る(歩く)のと比べて効果がない」といった意見も見受けられます。
ランニングマシンでウォーキングやランニングを始めようと思っても、このような意見を目にすると不安になりますよね。
ランニングマシンは本当に効果があるのかどうか、詳しく解説していきます。
ランニングマシンは効果がないかどうかは目的によって変わる
「有酸素運動」という面では、ランニングマシンは外でのウォーキングやランニングと同等の効果が期待できます。行う動作自体は変わらず、消費カロリーの違いはほとんどないからです。
酸素を体に取り込みながら行う有酸素運動は脂肪がエネルギー源として使われ、歩いた分・走った分だけ、カロリーを消費します。つまり健康やダイエット目的でウォーキングやランニングをするなら、ランニングマシンで十分なのです。
一方、「筋力向上」という面では、ランニングマシンは外でのウォーキングやランニングに比べやや効果が劣ります。
外で走るときにはアスファルトの強い反発があり、「蹴り出し」をしっかり行う必要があります。対して、ランニングマシンは膝に優しい走りを実現するために、走行部分に衝撃吸収の仕組みが搭載されていることが多いのです。
ランニングマシンは強い蹴り出しが不要な分、脚の筋力向上には不向きです。
ただし、1回あたりの筋力向上の効果は少なくても、継続していれば脚の筋力は向上します。アスリートではない一般の方が健康目的で運動する分には、ランニングマシンでも十分でしょう。
ランニングマシンのメリット・デメリット
ランニングマシンはメリットが多いですが、デメリットもあります。ランニングマシンのメリット・デメリットを確認していきましょう。
メリット | デメリット |
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それぞれ解説していきます。
ランニングマシンのメリット
ランニングマシンのメリットは次の4つです。
- 雨や雪など天候に左右されない
- 速度を一定に調整できる
- 心拍数などを測定できる
- カロリー消費量を確認できる
天候の影響を受けずに運動ができるランニングマシンは、ウォーキング・ランニングの計画を管理しやすいのがメリットです。
毎日運動すると決めても、「夕方から外を走ろうと思っていたけど、雨が降ってきてしまった…」なんて日もあるでしょう。ウォーキング・ランニング計画が崩れてしまうとモチベーションも保てません。
またランニングマシンは寒い時期でも冷たい外気にさらされることなく、快適に運動ができます。モチベーションを保ったまま運動を続けるには、ランニングマシンが最適です。
機能が豊富で、トレーニングをサポートしてくれるのもランニングマシンの魅力です。
速度や傾斜角度を設定できたり、カロリー消費量や心拍数を測定できたりと、自分の体の状態や目的に合わせた使い方ができます。
ランニングマシンのデメリット
ランニングマシンのデメリットは次の3つです。
- 景色が変わらないので飽きやすい
- 設置するためには部屋の場所を確保する必要がある
- 最大速度に限界がある
ランニングマシンはその場での運動となるため、景色が変わらず飽きやすいという一面があります。その場での運動に飽きてしまう場合は室内で行えるという利点を活かし、テレビやYouTubeなどを見ながら運動するのがよいでしょう。タブレットホルダーが付属しているランニングマシンなら、スマホやタブレットで動画を視聴することもできます。
ランニングマシンを自宅に設置する場合、人によっては「場所とるな…」と思うかもしれません。しかし実際は、一畳程度の空きスペースがあれば十分です。一畳程度のスペースで思う存分運動ができると思えば、非常に優れたアイテムといえます。
走るペースについては、外だと自分が基準になりますが、ランニングマシンは「マシンの速度」が基準です。多くのランニングマシンは最高速度が12〜16km/hに設定されています。
ただし、ジョギングの一般的な速度は7〜8km/h、しっかりとランニングをしたい場合でも10〜12km/h程度です。ダイエットや健康維持ではなく本格的なトレーニングをしたい場合でも、12〜16km/h程度の速度で十分でしょう。
2.ランニングマシンでの運動で期待できる4つの効果
健康や美容のために、幅広い年代の方が利用するランニングマシン。
ランニングマシンでの運動には、次のような効果が期待できます。
- 持久力、心肺機能の向上
- ダイエットや脂肪燃焼
- ストレス解消
- 生活リズム(習慣)の調整
順番に解説していきます。
持久力、心肺機能の向上
ランニングマシンでのウォーキングやランニングは、体力や持久力、心肺機能の向上が期待できます。
強度の高い有酸素運動は、体内でのエネルギー生成において重要な役割を果たす「ミトコンドリア」を増加させます。ミトコンドリアが増えればエネルギー量も増えるため、体力や持久力向上につながるのです。
また有酸素運動により「肺で酸素を取り込む力」と「心臓で血液を全身に循環する機能」が高まり、持久力向上につながります。
「階段を昇り降りするだけで息があがってしまう」
「ランニングを始めてみたけど5分も続かない」
このように体力に自信がない方でも、ランニングマシンでのウォーキングやランニングを続けることで体力がつき、同じ強度の運動を行っても息切れしづらくなります。
ダイエットや脂肪燃焼
ランニングマシンはダイエットや脂肪燃焼にも効果的です。ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は脂肪をエネルギー源とするため、続けることで皮下脂肪や内臓脂肪の減少が期待できます。
効率よく脂肪を燃焼させるには、酸素を体に取り込みながら負荷が軽めな動きを長時間続けることが大切です。息切れしない程度のペースで、ウォーキングやランニングを続けましょう。
注意点として、速度を上げ過ぎると無酸素運動になり、脂肪が燃えにくくなる恐れがあります。
無酸素運動とは、短距離走やウエイトトレーニングなど酸素を体内に取り込まず負荷の強い動きを短時間続ける運動のことです。無酸素運動中は糖分の燃焼が優先されるため、脂肪が燃えにくくなるのです。
その点、速度を適切に設定できるランニングマシンはダイエットや脂肪燃焼にぴったりのアイテムといえます。
ランニングマシンはダイエットに効果がないという噂もありますが、そんなことはありません。 効率的に運動を行えば、ランニングマシンでも十分なダイエット効果は期待できます。 そこで本記事では、ダイエット効果を高めるためのランニングマシンの効果的な使い方について解説します。 これからランニングマシンを使ってダイエットをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ストレス解消
ランニングマシンでの運動はストレス解消にも効果的です。
自律神経とストレスは密接な関係にあり、ストレスがかかると交感神経が優位な状態になります。ストレスを解消するには副交感神経を優位にすることが大切です。
ランニングマシンで運動をすると体が温まり、副交感神経が優位になって心身もリラックスした状態になります。興奮・緊張モードが軽減されることで、ストレスが解消されるのです。
また運動により脳の血流がよくなると、セロトニンやドーパミンなどの精神を安定させる神経伝達物質が脳内に増えるとされています。ランニングマシンでの運動を日課にすることで、ストレスに強い心身をつくれるのです。
生活リズム(習慣)の調整
ランニングマシンで運動すると、副交感神経が優位になるため夜もぐっすりと眠れます。また運動による適度な疲れが入眠を促してくれる効果も。
朝もシャキッと目覚めることができ、1日を元気にスタートできるようになるでしょう。気分もスッキリするため、毎日メリハリのある生活が送れます。
生活リズム(習慣)の調整にも役立つため、「寝つきが悪い」「いつもだるい」という方も、ぜひランニングマシンでのウォーキングやランニングを取り入れてみてください。
3.【目的別】ランニングマシンの効果を高める「負荷」と「運動時間」
ウォーキングやランニングの負荷は、心拍数を目安にしましょう。心拍数を意識した有酸素運動で、効率よく持久力・心肺機能の向上や脂肪燃焼を目指せます。
トレーニングの指標となる心拍数は「カルボーネン法」で計算できます。
カルボーネン法とは、年齢や心拍数から運動強度を算出する方法です。計算式は以下のとおりです。
トレーニング中の目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数
- 安静時心拍数:運動などをしていないときの心拍数
- 運動強度(%):トレーニングの目的によって異なる
それでは、ランニングマシンの効果を高める「負荷」と「運動時間」を目的別に見ていきましょう。
持久力、心肺機能の向上
持久力や心肺機能を向上させたい場合は、運動強度70~80%として目標心拍数を計算します。
トレーニング中の目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×70~80%+安静時心拍数
例:30歳で安静時心拍数70の場合
(220-30-70)×70~80%+70=154~166
→154〜166拍となるような負荷で運動するのが理想
時間としては、30分~60分程度が目安です。あまりに時間が短いと、持久力や心肺機能の向上につながりません。
はじめのうちは10〜15分で疲れてしまうかもしれませんが、継続することで体力もついてきて、30分~60分程度の運動も楽にできるようになります。
ダイエットや脂肪燃焼
ダイエットや脂肪燃焼が目的の場合は、運動強度40〜60%として目標心拍数を計算します。
トレーニング中の目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×40~60%+安静時心拍数
例:30歳で安静時心拍数70の場合
(220-30-70)×40~60%+70=118~142
→118〜142拍となるような負荷で運動するのが理想
これ以上の脈拍で行うと無酸素運動(酸素を体内に取り込まず負荷の強い動きを短時間続ける運動)となる可能性があり、脂肪が燃えにくくなるので注意しましょう。無酸素運動は糖分の燃焼が優先されて脂肪が燃えにくくなるため、ダイエットや脂肪燃焼に適していません
時間としては、30分~60分程度が目安です。続かない場合は少しずつ時間を伸ばし、無理のない範囲で継続しましょう。
ストレス解消
運動でストレスを解消したい場合は、運動強度40〜50%として目標心拍数を計算します。
トレーニング中の目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×40~50%+安静時心拍数
例:30歳で安静時心拍数70の場合
(220-30-70)×40~50%+70=118~130
→118〜130拍となるような負荷で運動するのが理想
時間としては20〜30分程度です。無理に時間を長くする必要はなく、短時間でも効果は期待できます。
4.ランニングマシンの負荷を高める効果的な使い方
「ランニングマシンをより効果的に使いたい」
「運動に慣れてきて、物足りなく感じる」
このような方のために、ランニングマシンの負荷を高める効果的な使い方をご紹介します。
無理のない強度で継続する
ランニングマシンは継続することで少しずつ効果があらわれます。1日にまとめて運動するのではなく、短くても良いので継続することが大切です。
まとまった運動時間を確保できない場合は、運動時間を短く分割しても良いでしょう。例えば朝10分、帰宅後10分、食後の休憩を挟んでから10分などスケジュールを立ててみてください。
また身体機能の変化には2週間程度、見た目の変化には3ヶ月程度の時間を要します。ランニングマシンで運動を始めたからといって、すぐに変化が表れるわけではありません。
たとえ1日10分程度でも、継続することの方が大切です。無理のない強度で継続することを心がけましょう。
傾斜を設定する
ランニングマシンは傾斜をつけると負荷が高まり、短時間で効果を引き出せます。ある程度運動に慣れてきたら、傾斜をつけたトレーニングに挑戦してみましょう。
傾斜を1%〜3%程度つけると、外で歩く・走る状態と同じくらいの負荷になるといわれています。傾斜角度が10°以上になるとかなり負荷がアップしますが、これは運動上級者向きです。
傾斜角度1%〜3%でも短時間で効果を引き出せるため、効果的なトレーニングをしたい方はぜひ試してみてください。
インターバル走を行う
インターバル走とは、疾走(ダッシュ)と緩走(ゆっくり走る)を繰り返すトレーニングのことです。
疾走(ダッシュ)時の設定速度の目安は12〜16km/h程度です。息が上がったら、速度を落として息を整えます。
一定の速度で走るランニングとは異なり、走りに緩急をつけることで負荷が高まり、ランニングの効果を引き出せます。
筋肉への刺激が高まるインターバル走は、運動後も高い基礎代謝レベルを維持でき、普段よりたくさんのカロリー消費が期待できるのも嬉しいポイントです。
筋肉強化や脂肪燃焼を促したいときにおすすめのトレーニング方法です。
5.ランニングマシンにはダイエットや体力向上の効果あり
ランニングマシンでも、屋外でのウォーキングやランニングと同等のカロリー消費が期待できます。
ランニングマシンでの運動に期待できる効果は次の4つです。
- 持久力、心肺機能の向上
- ダイエットや脂肪燃焼
- ストレス解消
- 生活リズム(習慣)の調整
ランニングマシンの効果を高めるためには、心拍数を測りながら負荷を調整するのがおすすめです。目的に応じて運動中の負荷を調整すると、ランニングマシンの効果をより実感できます。
体力をつけたい方やダイエット中の方はもちろん、運動でストレスを解消したい方も、ランニングマシンでウォーキングやランニングを始めましょう。